画像は、特価の”オーガニック”製品、鮮やかな色のベビー用”オーガニック”製品、ウガンダ産のオーガニックコットン。

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ある国際NGOが、サンプル購入時期が2013年5月~6月の間で調査した子ども向けアパレルの調査が行ないました。分析の結果、発がん性や発達障害を引き起こすと指摘されている有害な化学物質が検出されたのです。

調査の対象になったのは12ブランド、合計82サンプルです。
・Adidas (アディダス)
・American Apparel (アメリカンアパレル)
・Burberry (バーバリー)
・C&A  (シー&エー
・Disney (ディズニー)
・GAP (ギャップ)
・H&M  (エイチ&エム)
・Li-Ning (李寧)
・Nike (ナイキ)
・Primark (プリマーク)
・Puma  (プーマ)
・Uniqlo (ユニクロ)

検出された量に違いはありますが、すべてのブランドで人体に有害な化学物質が検出されました。子ども服の製造工程でも、広範囲にわたって、有害な化学物質が使用されているのが実態のようです。

あるブランドの水着からは、ペルフルオロオクタン酸(PFOAs)が検出されました。同ブランドが定めた使用限度量を超えて検出されたのです。すべてのブランドから、ノニルフェノールエトキシレー(NPEs)が検出されました。

この二つの化学物質は、発がん性や、発達障害、人間のホルモン作用に影響をあたえる内分泌かく乱作用が指摘されています。生分解されにくい化学物質のため、工場から土壌や河川に排出されてしまうと、長期的に環境中に残留してしまいます。(生分解とは、土壌や水中で生きている微生物が、ある物質をエサとして食べることで、ほぼ無害化することです)

話をオーガニックに戻します。オーガニックには、多くの方がご存じの農業分野とは別に、製造加工分野(紡績から製品まで)の二つの認証があります。

農業分野については、極々簡単にですが、その①と②でお伝えしました。今回は、製造加工分野についてのお話です。

オーガニックコットンの製造加工分野認証については大きく二つの考え方が存在します。
一つ目は、”オーガニックコットン”だから、環境への悪影響が少ない製造加工をするべきであり、原料の”オーガニックコットン”の混率(含有率)も、”一定のパーセント”以上を使用する。
二つ目は、”オーガニックコットン”がどこからきて、どこへいくのかを追跡確認しようというものです。この二つが、製造加工分野における”オーガニックコットン”の認証です。

そもそも、農業分野のオーガニック認証の始まりは、コットン生産者の健康を守るためと自然環境への配慮がきっかけでした。農業分野で”オーガニックコットン”が多少なりとも減農薬に貢献したとしても、製造加工分野で人体に悪影響がある化学物質を大量に使っており、それが残留していたら、安全な衣服を求めて高い金額で”オーガニック”製品を購入した消費者にとっては何のメリットもありません。

製造加工分野における認証でも、農業分野と同様に、高額な認証コストを認証機関に支払わなくてはなりません。「オーガニックは地球に優しい」的なイメージだけが必要な場合、製造過程分野の認証は取得しない企業も多いです。
実際に、売り場にいって製品タグをみて確かめたり、メーカーの広報に問い合わせれば、かなりのことはわかります。

ここ数年、大手量販店でも、低価格のオーガニックコットン製品が市場に多く出回っています。価格も安くなりました。
ある量販店では、オーガニックコットン100%使用のTシャツやポロシャツの一枚の価格が、およそ1550~3900円の範囲内に設定されています。”オーガニックコットン”が登場した当初は、かなり高額な物として消費者に認知されていました。Tシャツ一枚が1万円前後というレベルです。(使用しているコットンの量は、Tシャツ一枚で300グラム程度です。国際相場では、レギュラーコットン300グラムの価格は70円程度です)

また、製品の色も非常にカラフルになりました。いったい何が変わったのでしょうか?

”オーガニックコットン”は、コットンの栽培地域の農薬による土壌汚染を少しでも減らすために、ある昆虫学者が考え出した概念です。数々の綿作地の現場を見てきた僕としては、そのコンセプトには大賛成です。

最近の低価格な”オーガニックコットン”は、賃金の安いアジア諸国やアフリカ諸国、中南米、旧ソ連諸国で栽培されたものが多いです。そうした国々では法整備が間に合わず、製造加工分野で環境に多大な悪影響がある染色の基準が遵守されなかったり、基準そのものが緩かったり、基準そのものが存在しないところすらあります。

世界最大手のオーガニック認証団体の規定には「実際の生産過程での化学物質の使用については、コットンを生産するその国ごとが定めている基準に従う」とあります。つまりこれは、「環境に関する法律が遵守されていない国々でも、その国の基準に従う」ということです。

認証団体が定めた基準は、本当に守られているのでしょうか? 移動手段もままならない辺境のコットン生産国に、頻繁に検査に行けるのでしょうか? 監査がある日を事前に伝えているようなことはないのでしょうか?これは、意地悪な見方かも知れません。でも、現場を見てきた僕には、そうした疑問を抱いています。

登場してまもなくの”オーガニックコットン”は、消費者の環境保護の意識も反映し、派手な染色をしないものが主流でした(よりナチュラルに見せるために生成り色の染色をしていたところはあります)。

しかし、それでは消費者の選択肢が少ないので、飽きられてしまいます。そこで、ここ数年、これまでにない”オーガニックコットン”の商品が登場となったわけです。色揃えも豊富で安い”オーガニックコットン”製品が、大量に売り場に並んだのです。
「地球にやさしい”オーガニックコットン”をこのお値段で提供します」という売り文句には、上述したような事情があるのです。

(続く)


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