※ 画像は、H&Mの店内、5$や10$の値札が見えます。H&M商品のタグ「オーガニックコットン混紡」と記してあります。インドで急速に栽培が広がったオーガニックコットン実棉(みわた)の山です。

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オーガニックコットンが日本の市場に登場したのは、2000年頃です。その頃の値段はとても高く、気安く手が届くものではありませんでした。野菜でも果物でもそうですが「無農薬」「有機肥料」で人手と手間をかけて栽培するのだから妥当な値段なのだろうなというのが、僕の印象でした。主に環境問題に熱心に取り組む小売店が販売していた記憶があります。ちょっとしたシャツが1万円近くしたものもあり、価格の高さに驚いたことを覚えています。

僕が、オーガニックコットンの栽培をカンボジアで始めたのは、2008年のことです。オーガニックの認証があった方が良いだろうと思い、フランスの大手認証機関に問い合わせました。バンコク駐在の認証機関の担当者は「面積が小さ過ぎる」という理由で、現地調査をして見積もりを取ることはしませんでした。ビジネスとして割に合わなかったのだと思います。

その後は、たいしてオーガニックコットンに関心を払いませんでしたが、2010年にドイツの記者が配信したニュースに驚きました。

「オーガニックコットン使用量が世界4位のH&M(スウェーデン)の認証済であるオーガニックコットンに、遺伝子組み替えコットンが混入している可能性がある」と判明したのです。遺伝子組み替え種子を使ったコットンは、オーガニックコットンとして認証されることはありません。

インドで栽培された遺伝子組み替えコットンが「認証済オーガニックコットン」として世界のマーケットに流通し、それがH&Mのオーガニックコットン製品にも混入していた可能性が示されたのです。

この偽装事件は、一部のコットン農家が行った偽装行為だとされましたが、インドの農業・加工食品輸出開発局は、2009年4月には既に偽装の事実を認識していたということがわかりました。インド当局は、オランダに本部があるオーガニック認証機関のコントロール・ユニオンに、何度も現地調査を要請したということです。

ところが認証機関のコントロールユニオンは、遺伝子組み換えコットンに「オーガニックコットン」と認証をつけて大量に世界市場に流通させてしまったのです。

それから半年が過ぎた頃、認証機関のコントロールユニオンとはまったく別の調査機関がサンプル抽出調査を行いました。そこで初めて「オーガニックコットン偽装事件」が発覚したのです。

偽装事件の発覚を受けて、スウェーデンのH&Mは「我が社の製品に偽装オーガニックコットンが使われたと信じるに足る証拠は何もない」と主張。「今後もオーガニックコットンを使い続ける」と発表しました。

この偽装事件に巻き込まれたのはスウェーデンのH&Mだけでなく、オランダのファストファッションのC&Aも、偽装オーガニックコットンを使用している疑いがかけられました。

オーガニック認証機関に高額な認証料を払ったH&MやC&Aは、被害者とも言えるでしょう。しかしその一方で、オーガニックコットンを消費者に販売するアパレル企業として、H&Mは、インドの農業・加工食品輸出開発局が現地調査の要請をしていたことを、まったく知らなかったのでしょうか?知っていたけれど、取り合わなかったのでしょうか?

以下は、2008年のオーガニックコットンの消費量の世界アパレルランキングです。

5. Zara    (スペイン)
4. H&M    (スウェーデン)
3. Nike    (アメリカ)
2. C&A    (オランダ)
1. Wal-Mart  (アメリカ)

「毎日が激安」をうたい文句にしているアメリカの Wal-Mart が、最もオーガニックコットンを消費しています。スポーツシューズのナイキ以外は、ファストファッションのブランドで上位が独占されています。

多くの人手が必要で栽培に手間がかかるのがオーガニックコットンのはずです。なぜ、特徴のひとつが「安さ」であるファストファッションの店舗でオーガニックコットンが大量に並ぶのでしょうか?

(続く)


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